あらすじ
ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。
手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。
やがて犯人が同じ時計を十個、買っていることが判明…被害者候補はあと8人いる!
尋問の天才キャサリン・ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走。
一方、刑事アメリア・サックスは別の事件を抱えていた。
会計士が自殺を擬装して殺された事件にはNY市警の腐敗警官が噛んでいるようだ。
捜査を続けるアメリアの身に危険が迫る。
2つの事件はどう交差するのか?
感想
※以下ネタバレあり作家がどんでん返しを意識しすぎてるような。
面白い部分もあったが、小手先で話をいじくってる感じがした。
まずウォッチメイカー事件では、私は前作で
「ピンチになったってどうせ助かるんだろーハイハイ正義正義」
というやさぐれ病にかかっているので、今回標的が襲われた時も助かる展開が見えてしまった。
ギリギリまで追い詰められる焦燥感が味わえない。
もうひとつの警察の汚職事件については、サックスの父に対する葛藤と絡んでいく。
どちらかというとウォッチメイカー事件より熱の入った描写で、
私はがっつりウォッチメイカー事件を読みたかったので、
「また紙幅を取られることになってほしくないなー」と思いつつ読み進めた。
残り3分の1になったところで、ようやく事件が動いた手応え。
殺人を依頼したのはベーカーで、汚職事件と連続殺人未遂事件とがつながる。
「なるほど!だから汚職事件にも比重をおいてたんだ」と期待を込めて先を進めたら、
ベーカーもあっさり捕まり「またこのパターンかー」と。
さらにダンカンもさくっと捕まる。
そこからの流れは予想がつかず面白かったのだが、
ダンカン聴取 → 誰も殺してない。非道なベーカーをはめるためにやった事 → 実はそれも嘘、危険人物である
この、危険人物と判断するにあたってのキャサリン・ダンスの能力がなあ。
「嘘ついたらわかる」って最初は単純にすごいと思ってたけど、ここにきてこれって都合よすぎないか。
時計店店主の時みたいに、もうちょい詳細に見ぬく描写があれば印象が違ったかもしれないが。
で、その後
ダンカン時計盗むよ → それも嘘、本当の狙いはテロ → 爆発するも大事になりませんでした
そうだよな、サックスとライムはすごいもんなー。
全然ハラハラしなかったよ、正直。
犯人のキャラ造形は前作も今作も好きだし、うまい作家だと思うんだけどなあ。
むかし面白い面白いと読んでいた頃のディーヴァーの本って、
今読むと評価変わったりして、とちょっと不安になってしまったよ。
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