2015-05-26

映画『インターステラー』★5



※以下ネタバレあり。








感想

これぞエンターテイメントだなあ~!と感じた映画。
純粋に面白かった!
宇宙船や惑星、ブラックホールの映像が、「ほんとにこうなってるんじゃないか?」っていう。
まるでドキュメンタリーを見てるようだった。
科学がどれだけ発展しても、結局トラブルを呼ぶのは人間心理…というのはSFの王道なのかな。
でも、ピンチになった時に「何か方法はないのか!考えろ……!」って、アイデアの見せどころも多くて楽しめた!

5次元本棚に閉じ込められたシーンの絶望感がすごくて、私はあそこでバッドエンドなんだと勘違いして相当泣いてしまった……。けど違った……。良かったです。
見る前は3時間長いと思ってたが、終わったあとはよく3時間に詰めこんだな~と思う。

あとTARSとCASEっていう高性能ロボがかわいかったね。
ただの長方形かと思ったら、水の星ではアスタリスク*みたいな形になってダッシュしたり。
面白い形。

以下物語メモ。



状況説明


■世界観を伝えるこのパートがすごくうまいと思った。
自分たちに身近な世界のようでいて、危機に瀕しているというのがリアルに伝わる。
共感を感じやすい。

■老人らが語る過去回想風シーン、クーパー家、学校での面談

■砂嵐、滅んでいく食物。
工業系は求められておらず、農家になることが推進されている 。

■クーパー:元宇宙飛行士。墜落した過去体験を夢に見る。妻を亡くしている。
 マーフ :娘。学校では問題児だが、頭のいい子。


きっかけ&選択


■きっかけ
マーフの部屋の「幽霊」が示す針路に導かれ、行った先がNASA。
このままでは人類は滅亡する。そしてタイミングよく土星に現れた「ワームホール」。
NASAの人によれば「彼ら(宇宙人的な?)」によって作られたという。
これで別銀河へワープし、助かる道を探す計画が秘密裏に進行していた。
 
■計画
まずは住める環境の惑星を見つけ、

プランA:地球の人々を移住させる
   (重力の方程式を解き、制御できるようになれば可能)

プランB:Aがダメだった場合、受精卵を運び、種をそこで増やしていく

このために、経験ある宇宙飛行士を探していた。
既に先遣隊が出向き、各惑星でデータを取りながら救出を待っている。
総責任者?のブランド博士は、「クーパーが地球に戻るまでに方程式を解く」と約束。

■選択
クーパーは家族と離れる事に悩みながらも引き受ける。
マーフ「私を置いて行っちゃうんだ!」
「行くな」と言う部屋の幽霊。
結局ケンカ別れになる。クーパーは時計を形見に置いていく。

■トラックに乗り、家を離れていくカウントダウン→ロケットのカウントダウンに自然移行。
余計なシーンないなあ。その後、マーフは才を見込まれNASAへ。


宇宙へ


■ビデオメッセージ
息子のトムが成長し、結婚し、親になっていく様子。
自分が地球にいたらどれだけのことができただろう。
そして返信のない父親に対し、だんだん生存の望みを諦めるようになっていく。
(機器の故障で連絡できない状態。メッセージ聴いてるよ!俺はまだ生きてるよ!それさえも伝えられないのが悲しい)
マーフは一度も送ってくれない。

■水の惑星
ブラックホール近くにあり、1時間が地球の7年。
遠くに見える山だと思ったらとんでもない高波!人員を失い、データも回収できず。
戻ると27年が経過、データを期待して待っていた物理学者、ロミリーは老いていた。
このシーン、カプセル入っときなよ……!って感じだった。泣ける。残酷だよなあ。

■2つの惑星、どちらへ行くか?
アメリアが愛には超次元的な力がある、とやけに力説するシーン。
なんでこんなに時間割くんだろ?と思ったら伏線になってんだなー。


危機


■氷の惑星
天才マン博士がいる星。
カプセルから目覚め、「ここは人が住める見込みが高い」とデータを見せる彼だが、「プランAは実行不可能。ブランド教授もそれはわかっている」と告げる。
「人類のため、といっても人は動かない。親子、兄妹、恋人、人は親密な人のために動く」
たしかにそうだけどさ……こんな遠く離れたところで知らされるなんて。酷い嘘だ。
今地球にいる人々を見殺しにする計画だったことに絶句し、地球に戻ろうと考えるクーパー。

■真実
同時に、ブランド教授の片腕として働くまでに成長したマーフにもその事実が告げられる。
ブランド教授は、とっくの昔に重力の方程式を解いていた。
だが重力制御にはブラックホール内の「特異点」のデータが必要で、それを観測することは不可能。よって制御は無理。謝罪を最後に世を去る。
後を継ぐマーフだが、宇宙船へ初めてメッセージを残す。
知ってて地球を離れたの?やっぱり私を置いていくつもりだったんだ……現実の距離だけでなく、心の距離まで離れていく。

■帰還不可
マン博士はクーパーを離れた谷へ連れ出し、殺そうとする。
実はここに住める見込みなどなく、地球に戻られてはプランBが頓挫してしまう。
惑星を探しプランBを遂行するために、全員を殺し飛行船を略奪しようとする博士だが、失敗。
しかし攻防で宇宙船もダメージを負い、燃料も尽きた。
もう地球に戻れない。

■人類滅亡の日
地球に災害が押し寄せ、人々は車で土地を逃れる。逃れても待つのは死なのだが。
マーフは残り、すべての起点である「幽霊」をもう一度調べようと考える。

■ブラックホールへ
生き残ったクーパーとアメリアは、最後の惑星に辿り着けるかギリギリの状況。
ブラックホールの回転力を利用するが、クーパーはそれでは足りないと判断、自らの乗る部分を本体から切り離し、ブラックホールに落ちていくことで、アメリアが惑星まで行く運動量を稼ぐ(ペンローズ過程というらしい) 。
離れ離れになるふたり。


疑問の収束


■ブラックホール内、時空間を超え?過去のアメリアと遭遇。
アメリアが「彼ら(宇宙人)と接触した」と考えていたのは、実はクーパーだった。

■幽霊
「5次元本棚」と私が勝手に呼んでいるゾーンへ閉じ込められる。
そこは娘の本棚が、過去未来関係なく無限に並んでる……万華鏡のような世界。
そこで宇宙へ旅立つため娘の元を去ろうとする、過去の自分を目撃。
「行くな!!行くな!!」
行けばもう二度と娘とは会えなくなる……必死で伝えようと、本を落としたりして示すクーパー。
幽霊の正体。

■「彼ら」
その正体にもクーパーは気づく。「彼ら」とは、重力を自在に操作し、それで時間さえ自在に行き来できるようになった自分たち人間のことだと。
クーパーはブラックホール内の「特異点」を観測している。
このデータを娘に伝えることができれば……!
時間を自在に行き来できるクーパーだが、特定の時間を選ぶことはできない(「彼ら」の条件と一緒)。
データが理解できる状態の彼女に出会えるか。
このへん割と力技かと思うんだが、アメリアが言ってた愛の超次元的な力とか、「起こりうることは起きる」マーフィーの法則の伏線を思い出す。私は好き。

■形見の時計を手に取るマーフ。
マーフも「幽霊」の正体が父だと気づく。ずっと離れ離れだった思いが通じる瞬間。感動。
彼女は秒針の妙な動きがデータを示す事に気づき、急いで書き写す。
そしてNASAに戻り、重力の謎を解き明かす。
EUREKA !(解けた!)」


エンド

■病室で目覚めたクーパー。
重力制御を手に入れた人類は別惑星に移動し、存続している。
ガンダムのコロニーみたいな。
冒頭の老人たちの回想はクーパーの家(メモリアル館になってる)で流れている映像だった。

■年老いた娘と再開。
かなり高齢、寿命が近い。
子どもや孫がたくさん病室に集まっている。
「親が子を看取るもんじゃない」だったかな、そう言ってクーパーを退室させる。
彼を待っている人が他にいると促す。

■アメリア
無事に目的の惑星へ着陸できたようだ。
恋人だった飛行士が先遣隊として着陸したものの、亡くなっている様子。
ほかに誰もいない孤独な星で、アメリアはカプセルに入り、来るかわからない救助を待つ……。
(だがクーパーが来るのだろう、という希望ある終わり。)



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