2013-04-22

ウッドワン美術館展

http://373news.com/_jigyou/woodone/works.php
観に行ってきた。

日本画のコーナーに入ってしばらくすると、もはや「綺麗なー」「本当に綺麗なー」としか思うことがなく、『ハウルの動く城』に出てくるカルシファー眺めるときの荒野の魔女を思い出した。

図録も購入したのだが、やっぱり実物とは全然違うなあ。
なので図録を手元において、もっとこうだったよなーという印象を書いておくことに。

大観

霊峰不二

雲海の波間から富士。
近づいて見ると、絹地にぽや、とにじみを伴った線。
ところが離れて見るときりっと、黒と白のコントラストが美しく、気高い富士が現れる。
ぽや~がきりっになるんだからなあ。不思議でしょうがなかった。


東海の曙

松の描写も細かくてすごい。海の水色の澄み透った鮮やかさ。
視線の上昇、日の出を待つ。


玉堂

冬嶺孤鹿

鹿のふうっ、とした毛並み。


深秋

いい絵だなあ。
黄、赤と紅葉した木々、焚き火の煙が空へのぼる。
煙の匂いとパチパチという音が聞こえる。すすき野から顔を出す小木さえ愛しくなる。


松園

舞支度

実物は肉感的でびっくりした。手のぷっくり感だったり着物の輪郭線だったり。

装飾品の模様も細かく描写。
 白地に白の模様はその部分が盛り上がっていて、実際の着物の刺繍のようだ。
あちこちにこういう厚みの差があるので、立体的に見える。

舞を踊る女性の、きっと結んだ金の結い紐と黒い髷の対比。緊張。
生え際の毛のやわらかさ、ほつれ毛、櫛の通った前髪と鬢。
鼻筋にすっと白、柔らかな肌のグラデーション。


雪吹美人図

輪郭がより力強い。強風にあおられはためく着衣の表現。


溪仙


溪仙帰樵図

迫力。


紫峰

桃に山娘鳥図

瑞々しい緑の果実と葉。桃はおしりがぽっとピンクに色づいてる。 
こちらの色は控え目で、鮮やかなのは鳥の青。


御舟

荒海

手前の波は真上から見てるかのようで、眼前に迫ってくる。 
中ほどいってザザンと崖に当たる波しぶき、そして山。

パース守ってたら描けない面白さって、あるよなあ。


片岡球子

面構葛飾北斎

富士がにょきっと、北斎の頭もにょきっと。


魁夷

フレーデンスボーの森

白木がするする、わさわさ、かさこそと伸び、重なりあう。
 風景とも心象ともいえそうな絵。


高山辰雄

朝の気

もや~っとした絵。
 もやっとした朝霧がかかって、草木もまどろみの中でもやっとしてる。 
実物では、真上の月はよーく見ないと見えなかった。
 朝は空気が澄んでて、寒そうだなあ。


横山操

夕原

赤い空、枯れた大地に灰色の木。 トゲトゲしてて痛そう。 
手前の白い小木になんだか肩入れしてしまう。


加山又造



葉脈が金、背景にも金の粒子。 
猫の白いひげ(耳の付近にも。耳の毛も白いがそれより際立っている)。 
背中のしわは背景を透かしている。
目の強い青。


平山郁夫

エジプトの少女

少女の周りは煌々と赤く、光り輝いている。逆に動物はシルエット調。


高橋由一

官軍が火を人吉に放つ図

炎が上がり、黒い煙がもくもくと広がる。だが手前の水面や木はお構いなしに穏やか。 
戦を描くのではなく戦のある風景を描いている。


和田英作

ミカンを摘む少女

油彩がライトに当たって光沢が出てた。なまめかしい。
 襟元もオレンジ、帯に花が咲く。


安井曾太郎

裸女

不思議な雰囲気。
 胸・左足/右腕・右足の影の色ちがい。輪郭のあるなし。頭部。


梅原龍三郎

富士山図

明るくて元気になる色。


岸田劉生

毛糸肩掛せる麗子肖像

教科書にも載ってた有名な絵。 
妹は怖いと言ってたけど、実物を見ると幼い子どもに接する時と印象はおなじ。 
毛糸と手の描き込みに圧倒された。


須田国太郎

草花

背景が2分して色違うのはなにか効果があるのかな。 
画面右の丸い葉の緑が際立って鮮やかだった。


長谷川利行

カフェ・オリエント内のスタンド

この絵好きだな-。 
ライトのせいもあるかもしれないけど、図録よりずっとピンク味がかってて鮮烈。


香月泰男

桐花

簡略化と構図が面白い。

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